雪子の国を終えて

道を歩いていると、よく蝉をみつけた。
腹を蟻にさらわれて、しずかに転がっている。
盆が過ぎ。
夏も終ろうとしていた。
8月16日。

そんな今日この頃、帰ってまいりました故郷山口。
やっぱいいね、故郷はさ。
老いた祖母あり、玉なしの犬あり、お化けのようなゴーヤあり。
焼き肉、お造りもいいけど、金時豆をチョコチョコつまむのもまた良しよね。

ありがとうございました

まず、礼を述べさせていただきたい。
夏コミにてブースに足を運んでいただいた方。買ってくれた方。遊んでくれた方、これから遊ぶ方。
本当にありがとうございました。
おかげさまで50部がはけまして、上々の成果でございます。
たっけー値段にかかわらず、すっと現われ、さっと買っていってくれた皆様方。
「待ってました」と告げてくれた皆様方。
何より嬉しかった、本当に。
また席を外していた折に訪ねていただいた方々には、まことに申し訳ありませんでした。
ただKAZUKIは大した顔面持ち合わせてないので、皆様の想像のなかでだけ生き続けた方が良いのかもしれない。
「このおっさんが?」となれば多少幻滅するものもあるだろうから。
冗談はさておき、本当にありがとうございました。
また既に通信販売への予約メールを寄せていただいた方、これからDL販売等を通じて購入を考えておられる方、ありがとうございます。
かけ値なしに言えるのは、皆様のおかげだということ。
好き放題している同人ノベルゲームではございますが、それでも誰かが見てくれるから完遂できる。
楽しみにしてる、待ってる、そんな言葉に引かれるようにして、頼るようにして支えられるようにして、どうにかこうにか終えることができました。
国シリーズは残り三つ。
東京オリンピックまでには無理そうだけど、五年以内には終らせたい。
まだ長い道のりですが、どうか今しばらく、おつき合い願えたらと思います。
通信販売については、ただいまどのような方法がもっともスムーズで皆さまに手間を取らせないか、思案中でございます。
二十日にはダウンロード販売もふくめて、通信販売の方法を掲載するつもりですので、もうしばしお待ちください。

雪子の国を終えて

前回と重複する内容だがそれでも言いたいのは、三年という月日が流れたということ。
長かった。
して相変わらず創作活動は辛かった。
とにかく雪子の国は作業量が滅茶苦茶だった。
第一に登場人物が多い。第二に季節が移り変わる。第三に学校、家、外出と場所が入れかわる。
かけ算なのだ。
人×季節×場所。
結果立ち絵は2000パターンをこえた。
スチルも難しいものが多かったし、量も多かった。
5月末。
一度心が折れた。
絵を描くのが心のそこから嫌になって、タブレットのペンを持てなくなった。魂が断固拒否しているのだ、絵をかくことを。
絵を描くのは嫌いじゃないが、すごく好きというわけでもない。
1日一時間程度落書きする分には楽しいが、1日8時間も絵を描いていると嫌になる。
突破して10時間絵を描いて深夜二時をまわり、未だノルマが終らない日などは布団に顔突っ込んで情けない声をあげていた。
スクリプトも会話の総数が8000回以上にのぼり、その一つ一つに立ち絵をつけていく作業は果てしなかった。
他に辛かった点として、キリンの国と違い、プレイしながら作業することが出来なかったこともあげられる。
キリンの国はワンシーンを組むたびにデバックをかけ、出来をチェックしながらすすめた。
上手くいくばかりではなかったが、それでも物語を味わえたし、楽しめてもいた。
しかし雪子の国は作業を分化して分類し、分業化してすすめていったので、ワンシーンごとに完成素材がそろっているということがなかった。
分業化は作業の効率化をすすめはしたが、極まってくると作業感が強まってきてモチベーションを保つのが難しかった。
今行っている作業の価値がわからない。達成感を得られない。
己の作品で、己が作った作業プロセスで思うのだから、大プロジェクトにおいてのモチベーション維持の困難さは相当なものだろう。
定期的にスクリプトを組んで、作った素材が物語のなかで息づいているのを確認する。
この過程はモチベーションを維持する上で重要だった。
フルマラソン、端からゴールを目指していては途方もなさすぎる。最終目的への道しるべとなる小ゴール、中間地点、そこを達成したことへのご褒美。
そういったモチベーション管理能力の大切さも思い知った。
それでも、辛くはあったが描きたかった風景がいくつかは描けた気はしている。
高村光太郎の詩に「寂しさは人の世の常、かなしさは魂の故郷」という一文がある。(記憶をたよりに書いたのでそのままでないかもしれない)
昨今、吾輩は「寂しいもの」や「かなしいもの」に強く惹かれる。
人とは哀しい風景のように思える。老いて小さくなっていく祖母や、夏草の繁茂した畑のあとや、寝ていることの多くなった犬もそう。
以前、吾輩はポジティブシンキングを心がけてきた。
夢は叶うと信じ、前向きになる言葉をかきあつめ、ネガティブな発言を躍起になって追い払っていた。
そうすることで確かに人生は明るくなったような気がするし、仕事や金銭面でもうまくいっていたように思う。
最後には報われると思うことで、頑張れる原動力にもなった。
けれどやがて疲れがでた。何より心地が悪かった。
失敗や敗北、喪失や劣化。老いや死や貧しさも、人生には存在する。
それらを締め出そうとしても徒労に終わるばかりだ。もしもそれらを人生から取り除くことができるというのなら、それは誤魔化しのある生き方だ。
吾輩は生きることに恐怖をつくりたくない。なにより誤魔化して生きたくない。
吾輩は二十歳の頃と比べたら記憶能力は落ちたし、体力もない。かなり悲しいことだが髪の毛も少なくなる傾向にある。
国シリーズはまったく当たらず、棒にも箸にもかからずに忘れられるかもしれない。
すっかり資金のなくなった吾輩はゲーム作りを続けられず、四十路を前にして職安にかよい、職場は年下先輩ばかりかもしれない。
吾妻ひでおの「失踪日記」や、花輪和一の「刑務所のなか」、つげ義春の放浪エッセイ漫画にやたらと惹かれたのは、もう一人の自分をそこに見つけるからだろう。
こんなヤクザな生き方をしているのだ、何もかもなくしてそこらでのたれ死ぬ可能性だって無きにしもあらず。
「いやだなー、なりたくないなー」とは思うけれど、可能性は零じゃない。
吾輩はそれらを否定しない。忌み嫌い恐怖することをしない。なるべくそうはなりたくないが、自分の人生のなかにそれらが潜んでいることは認める。
そうすることで、ようやく生きることの力がぬけ、恐怖でガチガチに震えていた頃には見えなかった美しさを発見できる。
吾輩はそれこそ「さみしさ」と「かなしさ」の風景のように思うのだ。
そういった風景のいくつかを、雪子の国では描けたと思う。そういってしまうと暗い陰鬱な絵のように思われるかもしれないが、そうではない。
逆にしなやかさのある、風景画のような人物たちを描けたのではないだろうか。
もしいくらかでも「しなやかな寂しさと悲しさ」を感じてもらえたなら、幸いです。

冬コミ参加します

今後の活動について。
とりあえず、昨日冬コミの申し込みを完了した。
何かしら新作を出すつもりである。申し込みのため仮として「むこうがわの礼節」シリーズ新作と申請したが、まだ決めかねている。
国シリーズの設定資料集とキリンの国の外伝として圭介のあれからを二時間程度のノベルゲームで作ろうかな、とも思案中。
圭介が人間の国に帰ったあと、どこへ行き、誰と会い、何をしたのか。美鈴の国くらいでやってみたくもある。
国シリーズ本編の新作は次回はだせない。体験版も恐らく無理だろう。シナリオが固まっていない。外伝をいくつか作りながら、本編をつめていきたい。
またファンティアを初めてみようか、とも考える。むこうがわの礼節や、国シリーズの外伝はそこで公開してみようかな、とも。
出来るならフリーでの作品発表も続けたい。むしろ資金がどうにかなりだしたらフリーに戻りたい。
国シリーズ、一人でも多くの方に体験してほしい。もしフリーにすることでそれが叶うなら、そうしたいと思うのだ。
ただ今はしばらく資金繰りの問題で本編のフリー公開は難しいと思われる。
冬コミは新作はまだ未定なので、何か「こんなのが見てみたい」というものがあれば参考にさせていただきます。

“雪子の国を終えて” への38件の返信

  1. 雪子の国はまだ体験版しかプレイしてないですが
    だいだい屋敷はやはり黒電話ですか
    自分も父方の実家に黒電話があったんで
    なんとなくやり方は覚えてるんですが
    ハルタあたりの歳の子だとギョッとするかもw

    国シリーズの設定資料集と圭介外伝いいですねぇ…めちゃくちゃ見たい
    以前ブログでちらっと書いてた雲龍の過去話なんかも
    掘り下げれば普通に一作品になりそうな
    あと古い方のブログで、キリンの従妹の麻里の話を書くみたいな事も書いてあったような(確かキリンが鞍馬に残った後の話とか)
    圭介はキリンを鞍馬に置いてきてしまった事を麻里ちゃん家族に報告する義務があるので
    一体どうなったのかは気になります(強烈なビンタくらいは食らってそう)

    あとこれはちょっと面倒な話になると思いますが
    自分のメインPCのOSはwin7なのですが
    この度タブレットで国シリーズを出来ないかと考え
    win10のタブレットPCを購入したのですが
    キリンの国・雪子の国体験版は普通に動作したのですが(微妙にウィンドウの文字が文字化けしちゃってましたが本編を読む分には問題ない)
    みすずの国はwin10では何をどうやってもプレイできませんでした…
    どうやらこれは吉里吉里とwin8と10の仕様による問題らしいです
    ttp://resemblances.click3.org/?p=1406
    こちらの方が配布してる物を使った解決策がポピュラーなのですが
    みすずの国はこの方法ではwin10では起動できず…
    すぐに対策したほうが良いという問題ではないのですが
    PCのOSが徐々にwin10に移行してる時ですので
    修正パッチをつくるかNscripterに移植するかのどちらかの手段をとると良いかと思われます
    ただNscripterもウィンドウの部分の文字化けが…(これは安い中華タブだからなのか?)
    Windowsって新しいOSになるたびに余計な事しかしないような…

    1. わお、マジですか。
      まいったなぁ。自作からは制作環境も考えていかなければなりませんね。
      あんまりプログラムやシステムまわりのこと詳しくないので、大変そうです……。

      外伝はいくつかあるのですが、どれをやるかは迷うところです。皆様の需要にあうよう制作に取り組めればと考えています。
      むこうがわの礼節も仕上げたく思っているのですが。

  2. パッケージ版の通信販売を夏コミで売られた値段で想定すると・・・。
    送料を含めば3000円は値段が高く感じてちょっと買いづらいです(汗)
    国シリーズが大好きなため、できればパッケージ版を購入したいです。
    検討お願いします。

    1. 申し訳ありません。
      実は値段が高いという意見は多くよせられており、私も出来ることなら望まれた方の手元に行き渡るようにしたいと感じています。
      ただ、今回の雪子の国パッケージ版は予算の問題で小ロット生産になり単価が高くなってしまいました。また薄利多売を目指せるほど知名度もなく、100部作ってどうにか在庫をなくせるかどうかという状態にあり、価格をおさえることができませんでした。
      加えて既に本体価格2500円として販売し、50部を購入していただきました。その方々が損をすることがないよう、この度の初回パッケージ版に限っては価格変更を申し訳ありませんがしない予定です。
      国シリーズに好意をもっていただき、それ故にパッケージ版を求めていただけて、本当に嬉しいです。
      ありがとうございます。
      本当に申し訳ありません。

  3. 夏のコミケお疲れ様です!まさか故郷は同じ県と知り、とても嬉しく思ってしまった…笑
    まだ雪子の国を見てはないですが(9月の完成版のために…)、久しぶりにキリンの国とみすずの国を読み返してみようと思います!9月が楽しみです!今はゆっくり休まれてください、繰り返しで申し訳ですがお疲れ様です!

    1. ありがとうございます!
      みすずの国、キリンの国、読み返していただけるのは本当に嬉しいです。
      雪子の国も9月からの物語なので、夏の終りの寂しさと一緒に初めてもらえたら物語への没入感も増すのじゃないかな、と思っています。9月に向かってもう少し頑張る予定です。よろしくお願いします。

  4. 雪子の国の初回限定パッケージ版を購入したいです!
    キリンの国とみすずの国など国シリーズの世界観がたまらなく好きです!
    購入したいのですが、中学生のためまだ口座名義を持っていません。
    コンビニ支払いなら自分でもできるので、
    雪子の国の初回限定パッケージ版をBOOTH販売でリリースしていただけないでしょうか。

    1. ありがとうございます。
      Boothでの販売を開始しましたので、雪子の国、で検索してみてください。
      よろしくお願いします!

  5. 夏コミお疲れさまです。
    体験版を中盤まで遊ばせてもらいました。
    ありがとうございます。
    雪子の国《体験版》のセーブデータはC92配布「雪子の国」初回限定パッケージに引き継げますか?

    1. 雪子の国、体験版遊んでいただき、ありがとうございます!
      まことに申し訳ないのですが、セーブデータは引き継ぐことができません。体験版と製品版は若干ですが、スクリプトがことなり、エラーがでてしまいます。
      申し訳ありません。

  6. Twitterから雪子の国が気になって、Android用アプリ〈キリンの国〉を読みました!スマホのノベルゲームでここまでワクワクしたのは初めてです!他のものも読もうと思ったのですが今は国シリーズはこれだけしか出てない様子。私はPCを持っていないので読めません(泣)
    アプリ版〈みすずの国〉〈雪子の国〉をリリース予定はありますか?

    1. キリンの国を遊んでくださり、ありがとうございます。
      みすずの国、雪子の国のアンドロイド版ですが、出そうとは思っています。あるいは他の形でもスマホで遊べるようにしたいと考えています。
      ただ、今の所、技術的な問題で計画始動は未定の状況です。
      申し訳ありません。
      なんとか皆様に遊んでいただけるよう、努力していきます。

  7. 〈みすずの国〉〈雪子の国〉のAndroid用アプリを楽しみにしています!私のようなスマホユーザーのことも考えてくださって本当にありがとうございます。PCを持っていないのでそれまでキリンの国を2周3周したいと思います!魅力的なノベルゲームを作ってくれて本当にありがとうございます!

  8. 夜分遅く失礼します。kazuki様、こんばんは。
    雪子の国の購入を検討しています。

    初回限定パッケージの説明欄でひとつ疑問に思ったので購入前に質問させていただきます。説明欄に「※システム面での更新が予定されています。初回限定版を購入された方には無料ダウンロードを予定しています。」と明記されていますが、08月05日付けのBLOGには「イラスト面での謝罪」にて「立ち絵を手抜かせていただいた。」とあります。
    ここで疑問に思ったのが、初回限定パッケージについては、{システム面の更新はされるが、立ち絵(グラフィック)については更新の対象外}という意味でしょうか。

    もしそういうことですと、初回限定パッケージの購入者が立ち絵の更新(追加)を必要とする場合は、{09月に発売予定のDL版もしくは次回リリース予定の新パッケージ版を新たに購入しなければならない}のでしょうか。

    1. お問い合わせ、ありがとうございます

      すみません、記述が不十分でした。
      今後、雪子の国がゲーム内容に関して、いかなるアップデートを図るしにしも、初回パッケージ版を購入の方には無料ダウロードができるよう、手筈を整えます。
      九月初頭に予定しているのが、システム面と立ち絵の改善です。
      これらも初回パッケージ版を購入された方には無料ダウロードを予定しています。

      誤解をまねくような記述、申し訳ありません。
      お問い合わせ、ありがとうございました!

  9. 上の人の質問で体験版の引き継ぎは難しいようですがパッケージを購入すればタイトルから体験版の続き終了直後から例えばタイトルからすぐに遊べるようになっていますか?

    1. お問い合わせ、ありがとうございます

      申し訳ありません、現段階の初回パッケージ版データには、体験版終了後から開始できるような配慮がされていません。初めから始めていただき、スキップ機能などで飛ばしていただく他、ない状況です。

      スムーズに遊んでいただく環境を完成させるに至っておらず、ご迷惑をおかけしております。

      申し訳ありません。改善していきます。

  10. お世話になってます。パッケージ版が無事我が家に届き、雪子の国、早速1周読ませて頂きました。苦心に苦心を重ねて完成までたどり着いた作品の尊さは、目頭に直撃する物がありますね。

    体験版の時点でかなり期待値が上がっていたのですが、反面、ここから尻すぼみになったりしないよね?という不安感もありました。

    本編を読み終わった結果、無用の心配でしたね。期待値を大きく上回る、素晴らしい作品でした。

    詳細な感想を言うとネタバレになってしまうので、この場では避けさせて頂きますが、一つだけ、マイベストシーンは○○へ向かう車内から、○○の景色に心揺さぶられるハルタ・・・のシーンです。

    グッと来る表現でした。どうしてでしょうね。昔の私もハルタの物とは似ても似つかぬ物ですが、ある種の覚悟を決めて故郷を飛び出して、同じ様な気持ちで去りゆく町を眺めていたのかもしれません。今ではよく思い出せませんが。笑

    料金に関して語られている方がいらっしゃいましたが、レターパックライトやクリックポストでの発送でコストをやや下げられるのではないでしょうか?

    またゲームのシステムの方ですが、バックログ時に発言者名がそのまま残ってますね。

    https://gyazo.com/c7a99f9c3e4693bbaaf06e0f05599d02

    ここの点だけ気になりました。既出だったら申し訳ありません。

    1. 雪子の国、遊んでいただきありがとうございます。

      楽しんでいただけたなら、何よりです。皆様の期待を裏切らない出来になっているか、そればかりが気にかかっていました。
      また、バックログの件、ご報告ありがとうございます。
      改善に取り組んでいるのですが、一知半解でスプリクトを組んでいることが災いして、解決策に行き着いておりません。申し訳ありません。

      ハルタの最後のシーンは、考えてつくったものではなく、自然発生的にうまれてきたものでした。
      こんな風に、意図や計算をこえて、その人物と向き合い続けた結果うまれるシーンや台詞は何か特別な力があるようにいつも感じています。
      美鈴が跳び越えようと試みた時も、圭介がキリンと決別して自分の人生を歩き出したことも、作者の予定を裏切る彼らの行動だったように思います。
      そんなものが、あのシーンに宿っていたなら、嬉しい限りです。

      ありがとうございました!

  11. 雪子の国、最後まで読みました。
    1つのノベルゲームに今からとこれからの「人生を集約した物語」だと読み終えて強く感じました。読んでいる時に、キャラクター1人1人に「自分だったらどうするか」を当てはめて、自分の人生も振り返りながら、登場人物達の心境に何回も胸を詰まらせました。彼らと彼女らの人生を追体験できて、他人の人生なのにそれを堪能させてもらった気分に浸かることができました。魅力的なキャラクターを描くと作者様は本当に天下一品に感じます。

    またここからは厳しめで、まずは体験版までだと続きを読ませる引きが弱いかなと思いました。みすずの国とキリンの国を事前に読んでいなければ、きっと買わなかったと思います。
    それに、私の中の国シリーズのイメージは、冒険とわくわく・ドキドキ感が強かったのですが、雪子の国は今までのシリーズより未知なる探究心をそこまで味わえなかった点がちょっと心残りと感じました。
    あと、読み終えて物足りなさも感じます。読み終えたあとに、作者のあとがき(ここは○○だと思いながら描いたなど)を読みたかった。ギャラリーなど「おまけ」がないのも拍子抜けです。
    ストーリーについても最後に不穏な空気は立ちこめるものの、主人公達が新幹線のように物語を駆け抜けたわりにラストは駆け足のようなあっさり終わったのがけっこうショックでした。今までの国シリーズも風呂敷のたたみ方が下手くそだなと毎回強く感じています。

    つたない感想ですが、今後の参考になれば幸いです。
    雪子の国の製作、お疲れさまでした。

    1. 雪子の国、遊んでいただき、ありがとうございます。
      人物については苦労したことも多かったので、お褒めの言葉をいただけると一入です。

      また様々な意見、ありがとうございます。ぜひ参考にさせていただきます。
      わくわくとドキドキ感が少なかった、というのは作者としては重く受けとめています。それを提供することを目的に日々エンターテイメントを作っているので、自分の力不足があったと認識しています。
      オマケに関しましては、これも私の力量不足で搭載予定だったCGモード等をつけられずに終ってしまいました。現在、スクリプトに関して勉強し、改善を図っております。
      あとがきや制作にまつわる話は、改めてブログの方で出来ればと考えております。してみたい、と思ってはいましたので、望まれる声があればやってみたいです。ただ反面、「キリンの国」制作後に「作者の答えを知りたくない。自分が感じた感想を正解や間違いで判断したくない」との声もありましたので、あまり細かなものでなく、人物について、どのように思いつき、肉づけしていったのか、各々エピソードがありますので少し語りたいなと思っております。

      終り方に関して。
      これは秋子様と同じように感じられる方が複数人いらっしゃるようです。キリンの国当時から「終り方があっさりし過ぎ」「かけあし」と感想をいただきます。
      恐らく、小説投稿時代の癖で「発展も転調もしないシーンは悪手」という考えが根強く残っており、また文字制限があったなかで物語を作り続けた癖でクライマックスを過ぎたらさっさと畳むという習慣がなおりきっていないのだと思います。
      「余韻がない」と言われたのがショックで、なおそうと試みてはいるのですが、再び同じような感想をもたれてしまわれたのなら、まだまだ技量不足だったのだと思います。
      これからも精進していきます。

      この度は雪子の国を遊んでいただき、ありがとうございました!
      貴重な意見、参考にさせていただき、更なるエンターテイメント作品を志していきます。

  12. 梱包が雑です!配慮に欠けてます!
    「雪子の国」初回限定パッケージが自宅に届いて開封したところ、フライヤーが裸状態で入っていました。
    全員そのような入れ方かと思いますが、開封時の取り出しの際に、レターパックプラスの開封口が粘着テープでできているので、開封口の粘着テープがフライヤーの紙にひっつきそうになりました!
    とっさに気づき、大事には至りませんでしたが、もし付着して破れたと考えるだけでゾッとします!
    他同人サークルさんはビニールなどで封入ポスターなどは別途、綺麗に梱包されています。梱包が雑・配慮が欠けている点、大変遺憾で残念です。

    1. 大変申し訳ありません!
      配慮が足りず、気づくことができませんでした。
      もし何か破損したものがありましたら、メールでお知らせください。代替品を送らせていただきます。

      この度は配慮不足でご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。
      ご指摘、重くうけとめ、これからの改善につとめさせていただきます。

  13. 雪子の国、読ませて頂きました。
    ネタバレに配慮しつつ一言で言いますと、
    美少女雪子ちゃんが可愛いので、みんな読むべき! と思いました。

    山陰の怪談を通した、ある時代の幻視。
    滅び、変わりゆく天狗の国。
    その中で生きる人たちの哀しみ。
    そうしたストーリーやキャラクターを、目に見える風景とするなら、
    その風景の地下を流れる冷たい水脈のように、作品を貫く情感があり、それがとても美しいと感じました。

    雪子の泣き黒子や、黒髪や涙は、その水脈のひと雫のようです。

    どこか懐かしく、エネルギーに満ちたキリンとヒマワリ。
    少年時代の彼らが、全盛期の天狗の国の魅力そのものであったように、
    滅びてしまった場所の哀しい美しさが、作中の雪子には宿っています。

    そして、その場所は、私たちが現実に失ってしまった、あるいはこれから失ってしまう場所でもあります。
    だからこそ、ハルタの東京での戦いは、大なり小なり、誰しもの胸を打つのではないでしょうか。

    つまり、美少女雪子ちゃん可愛いです。みんな読むべき。

    1. 雪子の国、遊んでいただきありがとうございます!
      雪子を気に入っていただき、なによりです。

      山陰は昔から舞台にしたかった思い入れの場所なので、そこに宿る空気感のようなものが演出できていたら幸いです。

      雪子たちの物語、多くの人に伝わればと私も願っています。
      ありがとうございました!

  14. CGモードの実装が大変難航してるみたいですね
    最後の手段として
    今までのイベントスチルを暗号付き圧縮ファイルに詰め込み
    本編の最後の最後でパスワードを表記させて
    本編を最後まで見た人は見れるみたいなそういう手段も有ると思います

    またサウンドモード等も難しければ
    オリジナルBGM以外はリードミーにそれぞれにBGM素材のタイトルと作曲者のサイトのURLを記載等して
    個人で集めさせるような形にすればいいのかなと

    1. 助言いただき、ありがとうございます。
      CGモードはなんとか完成しそうです。

      ですが音楽鑑賞モードは権利問題が微妙なところがあり、実装が難しいように思われます。
      また仮に許しがでたとしても、各作者様に対する敬意が足りない行いではないかと、思うに至りました。

      ですので、恐らく助言いただいたように、各音源のタイトルと入手先として作者様のアドレス等をまとめ、お伝えする方法になるかと思います。

      お気遣いいただき、ありがとうございます!

  15. 値段が高いという意見は多くよせられている点について。
    C92は本体価格2500円として販売し、100枚。初回特典の音楽データディスクは先着40名。音楽データ自体は、本編ディスクにもつけ販売。BLOGに「その方々が損をすることがないよう、この度の初回パッケージ版に限っては価格変更を申し訳ありませんがしない予定」とありますが、DL版を2000円にするなら、一番損をするのは2500円+500円で販売している初回パッケージ版を手に入れた購入者ではないでしょうか?
    またフライヤーの代替品があるにしろ「梱包が雑です!配慮に欠けています!」とまで言われてますね。kazuki様がゲームとして良い作品を作られたとしても、このような点は非常に非難される点です。BLOGを拝見しても自己弁護が多い気がします。
    「損をすることがないよう」であるなら、今後販売されるDL版は初回パッケージ版の購入者を思いやり、2500円で販売するべきではないでしょうか?

    1. ご意見、ありがとうございます。
      出来るだけ公平な値段で販売したいと願っております。
      また私が考える公平は商品の値段をそろえる、ということに観点をおいております。
      コミックマーケットに足を運んでいただいた方と、通販をご利用いただいた方との差額は、あくまで送料費用としての代金です。
      レターパックでの郵送、全国一律510円となっておりまして、こちらを利用しております。
      レターパックは通常の郵送より少し高めですが、速達と同じ扱いをしてもらえる、追跡番号がつく、書留と同じく手渡しとなる、という利点から採用しております。
      レターパックライトですと300円ほどになりますが、ポストへの投函になるので、万一の紛失のことを考え、レターパックでの郵送に限らせていただいています。
      ですので、パッケージ版通販の商品としての値段は2490円とコミックマーケットで購入された方とほぼ公平であると考えております。

      ダウンロード版を値引き考えているのは以下の点がパッケージ版と異なるためです。

      1、トールパッケージ、オリジナルディスクがつかない。
      2、ポストカード、フライヤーがつかない。
      3、オリジナル楽曲のmp3データがつかない。

      これらの特典がつかないことから、最大で500円程度の値引きを考えております。

      だた上記の考えはあくまで私個人が考える「公平さ」に過ぎず、不公平感を感じる方はいらっしゃると思います。
      出来る限りの配慮と改善を努めさせていただきます。

      ありがとうございました。

  16. 今更過ぎる話なんですが
    作品紹介ページが少し寂し過ぎるかと思われます
    (確か他の方もおっしゃった事があったような気がしますが)

    商業ゲーや大手同人ゲー並みの豪華紹介ページにしろとは言えませんが
    ふりーむ等に記載してあるのと同じくらいのストーリー説明と
    メインキャラといくつかのサブキャラの立ち絵と共に
    それぞれのキャラの紹介文を2~3行程度でもつけたりすると
    興味持ってくれるユーザーがもっと増えるんじゃないかなぁと
    (サンプルCGなんかもよくありますね)

    ノベルゲーやADVって割とそういう所も販促で重要なんじゃないかなと
    自分もエロ非エロ限らずにアニメやゲームの紹介ページで
    簡単なあらすじを見た後にキャラクター紹介のページとか見て良い感じに出来てたりすると
    「こういうキャラがこの物語には出るんだ~」
    と興味と購買意欲をそそられたりしますね

    あと紹介ページの項目が充実すると
    自分みたいな1ユーザーが知人や他者に作品を薦めやすくなるという利点もありますね
    他者に薦める時にわかりやすい物があると助かります…

    Kazuki氏の物語は世界観もそうですがキャラの魅力が凄いから(数も)
    そういう強みを生かしてない作品紹介の仕方は勿体ないなと
    すぐにやってほしいというわけではなく
    暇を見つけたらちょくちょく作品ページを更新してほしいなという願望です

    1. ありがとうございます。

      他の方からも同じ意見をいただいております。登場人物が多くなり、そろそろ整理がつかなくなってきたとご指摘がありました。
      実は私自身、自分で書いた年表等を読み直しながら、「この年の愛宕には誰がいるんだっけ?」と探り探り執筆をしている状態です。
      今回の雪子の国では、雪子の幼少期に、キリンの国の登場人物たちがどこで何をしていたのか、頭のなかだけでは整理しきれませんでした。

      そこでまだ発表期日は未定ですが、新作をだすまえに自分用もふくめて設定資料集をだそうかと考えております。
      その作成の過程で、ホームページの商品紹介ページも充実していければと考えております。

      せっかく他の方へ紹介していただけるのに、十分な準備が整わず、申し訳ありません。徐々にですが増やしていきたいと思います。

      助言、ありがとうございました!

  17. 最後まで読んでも、雪子がハルタを、または、ハルタが雪子を、好きになった理由や動機がわかりません。幽霊騒動の大冒険でその場の感情つまりは吊り橋効果で好きになったのですか?
    例えばファーストコンタクトの時に雪子が泣いてる描写を見て、ハルタが最初に感情が揺れる様を書いているとは思いますが、特にハルタについては雪子が告白して、雪子に好きな気持ちが具体的な回答はなく曖昧で終わったような感じがしてます。
    あとがきやブログの記事、どんな媒体でもよいので、理由や動機を知ることができないでしょうか。
    二人が幸せになって欲しいと同時にそのことが気になって胸に引っかかってます。

    1. ネタバレを含みます! 未プレイの方で、物語内容を知りたくない方はご注意ください。

      ご質問、ありがとうございます。

      あくまで私が「こんな風に見えた」ということで述べさせていただきます。
      私は人物たちを外からつくる、観察によって肉づけしていくので、他人のように考えております。
      とは言っても私が考えるキャラクターなので深層心理も「こうだ」と決めてしまうこともできます。
      ですがそれをすると人物は一気につまらなくなります。死ぬ、とさえ私は考えております。少なくとも、私の得意とする距離感で捉えることができなくなり、頭のなかで自由に動きまわることがなくなります。ですので、私は物語をつくるとき人物の中身を意識的には考えないようにしています。

      今回も雪子のことや、ハルタのことを「こうだ」と決めつけてしまうと、途端に彼らは私のなかで矮小なものとなり、これからの生活のなかでの発見や新たな一面と出会うこともなくなるのだと思います。

      ですので、便宜上でしかないかもしれませんが、「こうではないか」という推測という形に留まらせていただきます。

      雪子がハルタを想うようになった切っ掛けは、やはりあの出会いなのではないでしょうか。
      一生懸命頑張っていた夢もやぶれ、学校も不登校となり、結果的にはいじめっ子達に追い払われた形となった。「強い子雪子ちゃん」という自己像からかけ離れ、心底自分にうんざりしていたのだと思います。私は弱い、私は負けた、みんなが笑ってるぞ、根性なし、いくじなし、なまけもの、大嫌い、大嫌い――――と自分を否定する言葉が頭のなかにあふれて、それを一つとして否定できずに歯を食いしばっていた。それがハルタと出会った瞬間なのではないでしょうか。
      結果的に、身体が絶えられずに、涙のかわりにゲ〇が出てしまった。
      落ち延びた先で、ゲ〇を男の子にかけてしまう。もう最悪だったと思います。ここでもし相手が「うわ、きたね!」とか「さいてー!」とか言っていたら、雪子はもう本当に打ちのめされていたと思います。どころか飛び退かれただけでも、駄目になっていたのではないでしょうか。
      けれどハルタは雪子を抱きとめて、吐き出してしまう姿をささえ、その後も騒ぐことはせずに「大丈夫か?」と声をかけた。
      例えとして正しいかわかりませんが、私が小さい頃、体調を崩していて母親に泣きついてたとき、とうとう気分が悪くてもどしてしまうことがありました。
      母親は背中をさすって「全部だし、全部だし」と言うだけで、私が嘔吐したことに驚いた様子もなく、また汚いと膝からどけることもしませんでした。
      当時は小学生だった私にとっては、嘔吐物は自分のものでも汚くて絶対に触ったり見たりしたくないもの。
      なのに母親はそれを受けとめてくれる。不思議でしたが、本当に嬉しくて、心底安心した記憶があります。この人といれば助かるんだ、という気持ちでしょうか。
      雪子はもう十五歳になっており、半分、大人ですから、あの時の私みたいにすぐすぐハルタに懐くようなことはなかったでしょう。
      恥ずかしさもあるし、意地もあるし、しばらくは顔も見たくないと避けたのだと思います。
      ハルタもちょっかいばかりかけてくるし、腹立つ。
      けれど、ハルタはずっと雪子のことを気にかけて、からかうにしても声をかけ、遊びに誘い、外へ連れ出そうとします。
      自分が一番最低で、かっこ悪かった時を見た男の子が、「一緒に遊びたい」と誘ってくる。そこに深い肯定感を感じだしたのではないでしょうか。
      この人は私を否定しない。断っても断っても「雪子、雪子」と誘ってくる。
      めんどくさい子だな、と思いますが、あの時の雪子にはあんな風に「断っても、遠ざけても、また名前を呼んで誘ってくれる人」が必要だったように思います。
      絶対的な肯定感と言いましょうか。(だからホオズキには心を許したのでしょう。一緒にいるだけで嬉しそうにしてくれるチビ助なので)
      ハルタに求められ、必要とされ、名前を呼ばれ――――そうして一緒に暮らしていくなかで、最初の出会いから始まった「受け入れてもらえる」という気持ちと素直に向き合えるようになっていったのではないか、と考えています。
      ですから、雪子はハルタのことを「好き」というよりも「ありがたい」「いてくれて嬉しい」「一緒にいたい」と存在を求めるような気持ちになったのではないでしょうか。
      ただ心配なのは、美鈴が懸念していたことでもありますが、あまりに雪子がハルタに依存していることです。
      ハルタを失うことがあれば、彼女はあの国で生きていけるのか。それが心配でなりません。(別に物語り上、ハルタが雪子のもとを離れることが決まっているわけではありません)

      ハルタに関しては、難しいです。
      私は彼の雪子への思いが、純粋な女性への好意ではないように感じます。もちろん、「綺麗な子だな」と異性としての魅力に惹かれていることも無くはないのでしょう。
      しかし、そもそも、ハルタという少年は自分の男性としての観点を重視していない、十六才としての男の肉体をもち、そこに起因する感情もあるが、それらと心がうまくリンクできていないのではないか、と彼の言動を見ていると感じます。「パンツが見えた」「乳もましてくれ」という発言も、そのように異性を意識する〝ノーマルな高校生男子〟をアピールしているように思います。ですから実際に「もめば?」と言われると、「え、いや……」と腰がひけてしまう。
      彼は身体や理性という部分では大人になっているのですが、心が子供のままなのではないか。異性の女の子を意識するにはまだ早い、鬼ごっこや隠れんぼ、仲間たちとの冒険や魔法や幽霊に憧れる〝幼い男の子〟のままなのではないか、と考えています。理性が、すっかり大人になってしまった身体と、子供のままの心の狭間にたち、時には異性を意識してみたり、時には子供っぽくふるまったりと、バランス取りながら距離をおいて二つの自分を見つめている。かつ、そういう自分に自覚的である。
      普段は理性でバランスをとっているが、幼い情操にふりまわされることがある。誰かが悲しんでいると、もういてもたってもいられなくて、かけつけたくなる。
      幼いハルタは感情移入の力がすさまじく、悲しんでいる人の心にそまりきってしまい、自分のことように苦しくて仕方なくなってしまう。
      これはホオズキの心と同じだと思います。ホオズキも誰かが悲しんでいると、理由も前後関係もすっとばして、とにかく駆けつける。それでいて何も出来ずに、一緒になって泣く。ホオズキや幼いハルタにとって、誰かの悲しさは誰かのものではなく、自分のものでもあるのでしょう。
      私はこの〝悲〟の心は人間誰しも持ち合わせているものだと感じます。ですが、自分と他人の区別がしっかりつく大人になると、人が痛くても自分が痛いわけではない、人が泣いていても自分には関係ない、と自分と他人の感情を切り分ける力がつくのだと思います。そうしなければ、数多の他人がいる社会でやっていくことはできない。必要におうじて心を鈍感にしていくのではないでしょうか。
      それがハルタはできない。あまりにも感じやすい、幼い心をもっている。それを自覚しているから、そんな自分を隠すし、他人とも距離をおこうとする。
      「あんた」と呼ぶのは、「あんた」以上には近寄られたくない、という彼なりの防衛手段なのでしょう。
      そんなハルタが雪子と一緒になった理由。
      恐らく、一緒に暮らしていくなかで、いくつかの出来事を共有したなかで、彼女に感情移入をしてしまい、彼女のことを他人とは思えなくなってしまったのでしょう。
      雪子の悲しさに引き寄せられてしまった――――そう言えてしまうかもしれません。
      ですがハルタの理性は雪子を恐れてもいます。一緒にいて彼女を救うことができるのか、幸せにできるのか、自分に何かできるのか。
      それでも一緒にいることを踏み切ったのは、雪子のあまりにも力強い思いと、「ハルタさんと一緒にいたら幸せになれるので」という言葉ではないでしょうか。
      ハルタは幸福の風景を求める子供です。
      妹が産まれてくるのをプレゼントまで買って指折り数えていたのは、そこに母親や父親の笑顔があり、二人に愛されている小さな妹がいるという、幸せの風景を予感したからではないでしょうか。ハルタはそういう風景を美しくて綺麗なものとし憧れ、永遠の憧憬として追い求めていたのではないでしょうか。
      雪子に「一緒にいたい」と言われた時、ハルタは「この子を幸せにできるかもしれない」との想いが芽生え、雪子が笑っている(むっつりしているかもしれないけど、幸せそうにしている)風景を思い描き、そこに憧れ、恋をしたのではないでしょうか。
      雪子と、雪子が笑っていられる時と場所に、ハルタは恋をしたのだと想っています。
      雪子が幸せでいられる風景が、ハルタにとっての辿り着き眺めることを願う綺麗なものになったのではないでしょうか。

      長文すみません。
      また回りくどい言い回しが多く、申し訳ありません。あくまで私が感じた二人です。
      私は読者の数だけ雪子やハルタがいてくれたらと、いつも願っています。

      雪子の国、遊んでいただき、ありがとうございました。

  18. 購入後のご相談です。初めての個人通販が情報管理・情報の破棄が購入後はどのように扱われていますか?情報の漏洩などどこでも多く聞かれる事案なので不安に思います。取引内容や住所などはいついつまでに消去やシュレッダーにかけるなど、どのような対策を施してますか?

    1. ご質問ありがとうございます。

      メールにて受け取った個人情報に関しましては、受信して一月以上経ったメールは必要のない限り削除しています。
      これは今回に限らず、私が受け取るメールに関して、全てそのように処理をしております。
      レターパックでの郵送後、受け取りの確認がとれた時点でロックを外し、一定期間後削除される流れです。

      ただし、お名前と追跡番号のみは控えさせていただいております。これは品物の受け渡しに対し、後日確認が必要になった際、郵便局に問い合わせるためです。

      Boothにて通信販売をご利用された利用者様に関しまして、boothのサーバー上に残りますデータは申し訳ありません、私では削除することができません。

      ご質問、ありがとうございました。

  19. 丁寧な説明に親切な回答ありがとうございます。情報管理を大切に扱われていると確認ができて安心しました。昔、大手販売業者に高評価なレビューを書かなければ情報漏洩を促されたことがありました・・・。それを心に抱えつつ、このたびは個人通販の取引が初めてな試みでしたから購入後は情報管理を不安に感じていました。キリンの国を遊んでKAZUKIさんのファンになりましたが雪子の国を買えて本当に嬉しい気持ちです。

    1. 安心していただけて、何よりです。
      キリンの国、遊んでいただき、ありがとうございます。また、雪子の国のご購入、ありがとうございました。

      雪子たちの物語が少しでもふくやまだ様を楽しませることができればと、願っております。

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