14本目 良い物語を作りたいなら、良い音楽をさがすべし

 良い音楽との出会いは物語を変える

 みすずの国、キリンの国、雪子の国、むこうがわの礼節。

 全てBGMありきだ。

 一曲、これ、と思えるBGMが見つかる。

 その曲がかかっているシーンの演出や空気感が頭のなかに広がる。

 そのシーンを基点にして四方八方、上にも下にも物語は広がっていくのだ。

 それほど良い音楽との出会いは大切である。

 古今東西、名作と言われる映画はまず音楽がいい

 マイオールタイムベストの「ショーシャンクの空に」、ジブリの久石譲は言わずもがな。

 ニューシネマパラダイス、ガタカ、ジュラシックパーク、ディズニーアニメーション、小津安二郎の音楽だって良い。

 名作と名曲は不可分。

 名曲なくして名作なし。BGM探しは余念なく行ない、見つけた暁には、公開してくれている作者様に最大限の感謝の意をあらわそう。我輩も彼の人たちの恩恵なくして作品はつくれていない。

 物語の発想方法としても音楽は有効

 我輩がよく使う発想方法で、とにかく手当たり次第に、受動的に(USENとか使って)音楽を聴きまくり、その音楽をBGMとして使うならどんなシーンだろうと考えてみる。

 洋楽も聴くし、クラシックも聞くし、ロックも聴くし、童謡もきく。ここで大切なのはジャンルや歌を能動的に選ばないこと。能動的に選んだ音楽ではあらかじめこんなシーンに使いたいと頭で決まっているあら、物語が広がらない。

 出会わなければならないのだ、音楽も、物語も、キャラクターとも。

 最近の出会いで言うのなら、USENで童謡を流していると、「庭の千草」という音楽が流れた。気になったので調べるとアイルランド民謡で、元の題名は「夏の最後のバラ」。

 日本語の歌詞と、元の歌詞はかなり違うが、どちらも良かった。

 思いついたのは、「蛍の墓」の「埴生の宿」のように音質の悪いラジオ調で流せないか、ということ。それをある人(この人は麻里子の叔母にあたる)の病室のシーンで流したら面白い効果があると思った。サナトリウム文学っぽい雰囲気もあるお話しだったから、「夏の最後のバラ」はぴったりだと思ったのだ。歌詞が日本語だとダイレクトに意味が響きすぎるけれど、英語だとそれも中和されて丁度良い。

「夏の最後のバラ」は著作権もなさそうだし、本当にこの演出ができるのでないか。

 良い出会いだった。

 このようにランダムに音楽を受け入れ、己が物語りに取り組もうと努力してみる。もちろん、たまには消化不良どころか食あたりをおこすこともある。

 しかし自分が知っている範囲だけでは物語はいかにも狭くなる。

 これは音楽の聴き方だけでなく読書だってそうだ。

“14本目 良い物語を作りたいなら、良い音楽をさがすべし” への2件の返信

  1. 麻里子さんの叔母さんというと・・・
    叔母が何人もいたらなんだけど・・・   たぶん・・。

    いつのはなしか (むかしかいまかそのさきか)

    楽しみだなあ^^

    音楽は 特に楽しみ!
    なんだかんだいっても BGMはいいよね
    (いつもは現実には流れない効果音じゃんと 斜に構えている^^;)

    らぢお からか  それいいねえ しぜんだ。
    ジブリでもテレビから流れてたり 酒場での歌とか 自然でよかったなあ。

    1. 音楽は力を入れたいですね、今作は特に。
      ただ外注するにも知識がないと難しくて。ただいま音楽の基礎的な勉強してます。音符の読み方とか。
      大変だけど、けっこう理系的な感覚でとらえていけるので、肌にはあってます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。