ハルカの国 創作の記その25

星霜編発表に向けて

CFの限定ページでもお伝えしたが、現状、スチル制作の佳境にある。月末に向け、この佳境が終息に向かってくれることを願うばかりだ。
余裕をもったスケジュールのはずが、結局、ギリギリ。毎度毎度、自分の進行管理能力の低さにはウンザリさせられる。
オブザーバーからも「お前は時間があればあるだけ使うから余裕なんて出来るわけない」「プロでは考えられないリソース管理のずさんさ」と呆れられている。
我が輩だって呆れる。
けれど自分で納得出来ないとやる気がなくなるのだ。
一度手抜くと、我が輩は対象への愛情を失ってしまう。
と言って、それで毎度毎度、発表が遅れる。遅れの要因である性質を擁護するのは甘えだろう。
納得できるクオリティかつ、生産力を上げる。これを達成しなければならない。
創作の直中にある内は着手出来ていないが、折々に新しいツールに触れ、創作過程の改善を模索している。
現状、生産性の方が追いつかず、発表が伸び伸びになってしまっているのは、大変、申し訳ない。

もう一つ重ねて申し訳ないご報告させて頂くと、この最後の最後にきて体調が悪い。
10日ほど前から肩こりと眼精疲労が酷く、キューピーコーワiプラスを飲みつつ作業を進めていたが、どうも集中力に欠けた。柔軟をしたり、度々横になったりとなんとか続けてきたが、3日前にとうとう発熱。情けないかぎりでございます。
現状、出来ることをしつつ体力回復を図っている。
コロナ、インフルエンザ等、大きな疾患ではない。半年に一度の割合で、我が輩は発熱を伴うぶっ倒れ期間がある。理由はわからないが、どうも季節の変わり目に弱い。
以前は体力に自信があり、山小屋、牧場ときつい肉体労働にも耐えてきた自負があった。
しかしこの頃、発熱が多くなり、ちょっと自信喪失中。
我が輩は足で物語の種を稼ぐ行動派だと思っているので、身体が弱くなるのは悲しい。

星霜編について

進捗状況としては、スチルを仕上げ中。完成したものをラフと差し替えれば完成というところ。
スチル完成後も時間が許す限り、微調整には励みたい。また進行不能バグが起きないようにも務めたい。キリンの国、雪子の国、それぞれ進行不能バグをやらかした過去があるので、同じ轍は踏みたくない。
特に今作は流れが大切だと感じているので、意図しないところでの進行停止は避けたいのだ。
微調整、バグの取り除きが順調にいけば、十月末に発表出来ると思う。体調も回復に向かっているので、これ以上煩わされることもないと感じている。

前回はまだ揃っていなかったオブザーバーからの意見。
出揃ったので、まとめておきたい。
多少の直しは必要だろうが、クオリティは過去最高という意見で一致している。子細はネタバレになるので伏せるが、珍しくお褒めの言葉を授かった。
作った我が輩からすると「今までとはやったことの次元が違う」というレベルで、そりゃもう圧倒的に今作が優れていると感じているのだが、この「次元が違う」と思うほど努めたことがクオリティに貢献しているのか不安はあった。
なにせ初めての試みが多く、成功体験のないなかでの創作。力を割いている方向が目的地に逆行するようだったらどうしようかと、創作中、恐怖は常にあった。
オブザーバーからもシナリオ段階では「やりたいことはわかるけど、本当にこれで大丈夫か?」「いつものやり方に戻した方が良くないか」と指摘もされ、気持ちは揺らいだ。
それでも今回、一つ信じてみたいアイディアがあって、「こういう風に考えたらいけるのじゃないか」という指針を持ち合わせていた。
その指針が最後まで折れることなく我が輩を支えてくれたので、今回の創作を乗り切ることが出来た。
まだ身内の評価が揃っただけなので信じ切る事は出来ないが、皆様からの評価も悪くなければ、この方向性を極めていきたいと考えている。
この方向性が間違いではなく、かつ極めることが出来れば、ハルカの国を化け物のような作品に出来るのじゃないかと感じている。

星霜編。
この度でユキカゼの物語は終わる。と言って、次回からユキカゼが登場しなくなるわけではない。変わらず視点人物として、この情の多い狐を追っていく。
それでも、ユキカゼの物語は星霜編で終わる。逆に言えば、「ハルカの国」と銘打ちながら、越冬編、決別編、星霜編はユキカゼの物語だったと言える。
だから、我が輩としては「星霜編」と言うより、越冬編~星霜編で一つの物語と考えている。
越冬編、決別編の終わりに相応しい最終章を用意出来たと思う。
テーマは「生命の混乱」。
自己像の崩壊と、物語の喪失。
私と思った私。自分が思っていた自分ではなくなっていく過程。
巨大になっていく社会のなかで、老い、小さくなっていく、存在の悲鳴。
人は誰しも自分を物語る。物語を編み、その中の役割として自分を認知する。
その物語の破綻。物語れなくなっていく自己が、国たる巨大な〝何か〟――化け物の中で混乱する。
自己を失うという天変地異。徹底的な崩壊を経ていくユキカゼの姿を見て頂きたい。

星霜編。
ぜひ、皆様に遊んで頂きたい。
またどう感じられたか、教えて頂きたい。上記した様に、この度は違うアプローチで物語を作った。この方法が上手くいったのか否か、気になる。
次元の違う努力をしたと大層なことを言っているが、見た目に大きな変化があるわけではない。もしかしたら変化を感じ取れない程度かもしれない。
それも含めて知りたい。
意図したことが機能しているのかどうか判断したい。
良ければ感想、お待ちしております。

最後に、オブザーバーからの一言を載せて締めくくる。

「星霜編が終わった後、越冬編をやり直した」
「すると不思議に越冬編が味わい深い。前は感じなかった面白さがあった」
「星霜編が優れていると思ったけれど、越冬編も捨てがたいかもしれない」

これは越冬編が星霜編より優れているのではなく、星霜編が越冬編を高めているのだ。そういう作りにしてある。本来なら順序が逆で、越冬編、決別編の体験が星霜編を高める。しかしオブザーバーは逆に進行したので、越冬編の方に新たな発見をしたのだと思う。
そう諭すと「それはあるかもしれない」と納得してくれた。

「けど星霜編終わった後、越冬編やると面白いよ。かつての瑞々しさを思い出してしみじみとする。感慨深い」
「俺は改めて越冬編が好きになった」

らしいので、皆様もお暇があれば星霜編の後に越冬編を遊んでみるのも一興かもしれない。

最後の最後に、二つ、お知らせ。
一つ。
次回の限定ブログ、1日の更新は延期して、10日に更新予定です。
二つ。
星霜編の発表後、色々キャンペーンを行おうと思っております。
皆様にお願いしたいこともありますので、良ければお力添えお願い致します。

では、星霜編発表までしばらく!